2016年中野区議会 第4回定例会本会議 一般質問


1 保育施策について
 (1)待機児童対策について
 (2)区立保育園の民営化について
 (3)その他

2 住宅の防災対策について

3 民泊について

4 第三・第十中学校統合新校・複合施設整備について

5 その他


 2016年第4回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。

 初めに、保育施設について伺います。

 まず、待機児童対策についてお聞きします。

 近年、中野区の就学前児童人口は増加傾向にあります。さらに、国の調査によると、2015年の女性の就業率は5年前と比べ高くなっており、20歳代後半から40歳代前半の就業率が約4%から7%上昇しています。こうした状況から中野区でも保育需要は増加の一途をたどっており、ことし4月の認可保育所入所申込者数は1,744人となり、前年比で67人増加しています。4月時点で中野区の待機児童数は257人となり、認可保育園が不承諾となり認証保育所を利用されている方や私的事由等で保育施設を利用できていない方を加えた潜在的待機児童数は644人に上ります。

 ことし1月、子ども文教委員会において、区は、2015年3月に示した来年4月の保育需要見込みを332人ふやして5,638人に変更するとし、認可保育所5施設、定員330人増の方針を示しました。さらに第2回定例会では、保育需要の見込みをさらに313人増の5,951人へ変更し、80人規模の賃貸物件型認可保育所8施設と小規模保育施設5施設の計13施設の追加誘致を行う補正予算が組まれました。当初予算で約8億7,000万円、補正予算で約7億500万円が民間保育施設新規開設支援として計上されています。区は、6月21日に行った記者会見においても、来春までに1,065人の定員増を図り、2017年4月1日時点で保育所に入れない待機児童ゼロを実現すると発表しました。しかし、今月から始まった来年4月の保育園入園申し込みの案内には新規開設予定の園として3園が記載されているのみです。

 そこで伺います。区が「来年度、待機児童をゼロにする」として打ち出した待機児童対策において、来年4月に何園の新規園が開設され、何人の定員増となるのでしょうか。また、来年度、待機児童は解消されるのでしょうか。お聞きします。

 今年度、多くの自治体で中野区と同様に大規模な保育施設の新規開設計画が打ち出されています。第3回定例会決算特別委員会の総括質疑の中で、来年度の民間保育施設の新規開設における進捗状況を伺った際、楽観は許されないというような状況はお聞きしておりますとの答弁があり、傍聴された方の中には事業者任せだと感じた方もいらっしゃいました。待機児童の解消が切実に求められる中で、今回の中野区の待機児童対策が全体的に事業者任せであったことにより計画倒れとなっているのではないでしょうか。他の自治体では今年度から待機児童の解消に向けて緊急対策本部などを設け、本格的に保育施設の整備に向けて取り組んでいる自治体もあります。中野区としても、今後、対策本部などを設置し、もう一歩踏み込んだ待機児童対策を行うべきではないでしょうか。見解を伺います。

 また、将来の保育需要を見据え、複数年度にまたがった保育施設の整備計画を設け、待機児童の解消に取り組む自治体もあります。中野区としても、単年度の計画にとどまらず、中・長期的な施設整備計画を作成してはいかがでしょうか。伺います。

 今年9月、東京都は待機児童解消に向けた緊急対策を発表し、「保育所等の整備促進」、「人材確保・定着の支援」、「利用者の支援の充実」を柱とする補正予算126億円が可決されました。保育所等の整備促進については、賃貸物件を活用した保育所等の土地や建物賃貸料を5年間、都が4分の3、区と事業者が8分の1ずつ負担するという補助事業が設けられました。年度内開設であれば、区と事業者の負担は16分の1となり、また人材確保・定着の支援として、現行では採用5年目までを対象としている宿舎借り上げ支援事業を6年目以降も対象とし、1戸当たり月82,000円の支援を行う事業へと拡充されました。さらに、待機児童解消区市町村支援事業や病児保育施設整備事業なども補正予算で示されています。区として、この補正予算を具体的にどのように活用していくおつもりでしょうか。伺います。

 区が、主体性と責任感を持ってこれまで以上の対策を講じなければ待機児童の増加に歯どめはかかりません。子育てする世代が他区に流出していくことも懸念されます。区が保有する土地や建物を積極的に活用し、認可保育園の増設に取り組んでいただきたいと思います。

 続いて、区立保育園の民営化について伺います。

 現在、本格的な待機児童対策が求められる中で、区は新しい中野をつくる10か年計画(第3次)に基づき区立保育園の民設民営化計画を進めています。かつて、「ポストの数だけ保育所を」というスローガンのもと、区内には41園の区立保育園が建てられましたが、現在は20園にまで減っています。そして、既に発表されている2園に加え、第3回定例会において、今後5年間に7園を民設民営化する方針が示されました。突然の民営化を告げられた区立保育園を利用する保護者からは戸惑いの声も上がっています。

 先日、2018年度に民間事業者に運営を委託し、園舎の建てかえを行う方針が示された大和保育園を見学させていただきました。大和保育園には運動会も開催できる広い園庭があり、夏と秋には隣接する畑においてトウモロコシやサツマイモの収穫を体験することができます。年間を通してさまざまな行事が行われ、非常に恵まれた環境と施設のもとで充実した保育内容を実践しています。大和保育園の園舎は、2013年の冷暖房工事と照明のLED化に続き、昨年度、総合防水工事として外壁の塗装や屋上の防水化、トイレの改修、2階ベランダの日よけシェードの取りかえやシャワーの設置などが行われました。民設民営化について、区は、老朽化が進み、建てかえの時期を迎えている区立保育園に対する適切な支援としていますが、大和保育園は耐震診断の結果、Aランクとされています。

 そこで伺います。この間約5,900万円が投じられ、冷暖房や照明の改修工事、さらに総合防水工事が終わったばかりであり、耐震性にも問題のない大和保育園を仮設園舎の用地確保の可能性が高いとの理由で早急に建てかえ、民営化する必要はあるのでしょうか。

 各区立保育園の民設民営化については、第3回定例会において所管の委員会に報告されましたが、それぞれの園の園長先生にはその前日に伝えられたと伺っています。先日行われた保護者説明会では、どこにどのような仮設園舎が整備されるのかということについて一切示されませんでした。保護者から希望があった複数回の説明会も実施せず、区は今月下旬から事業者募集を始めます。保護者により区に提出された質問書でもこういった区の対応について多くの質問や意見が出されたと伺っています。十分な合意も説明もない中で、区の計画の進め方はあまりにも拙速なのではないでしょうか。見解を伺います。

 民営化を行えば、長い歴史の中で積み上げられた数多くの実践と経験、地域とのつながりが失われてしまう可能性もあります。これまでの保育の水準や信頼が継承されるかどうかも民営化されてしまえば検証することは困難です。このたび示された民営化のスケジュールでは、区立保育園が仮設園舎に移ったタイミングで運営も民間事業者に委託されることになります。中野区において、場所と職員が同時に入れかわるような形での民営化は過去に例がありません。区は、これまで進めてきた区立保育園の民設民営化に何ら問題がなく高い評価を得ているような説明をしておりますが、実際には民営化に際しさまざまな問題を耳にしています。区は、今回の計画を進める上で子どもたちへの影響についてどのような懸念が生じると認識しているのでしょうか。伺います。

 自治体には、待機児童の数の問題だけでなく、子どもが安心して保育が受けられる、保育の質を担保することが求められています。民間企業の参入により保育の質にばらつきが出ないよう明確な基準を示すという点においても区立保育園は大きな役割を果たしており、私立保育園の園長先生からも区立保育園の必要性を訴える声を聞いています。保育の質を維持向上させていくために区立保育園の存在は欠かせません。区立保育園が中野区全体の保育の内容や質の向上を牽引する役割を担っていることについて、区はどのように認識しているのでしょうか。お聞きします。

 児童福祉法に照らせば、本来は区立保育園が保育を担うことを基本としなければなりません。区立保育園は単なる保育施設ではなく、低所得世帯や貧困世帯、障害児保育など、特別な支援を必要とする区民への支援施設でもあり、全ての区内の児童に対して公的保育を保証するセーフティーネットとしての児童福祉施設です。区立保育園の民営化による公的責任の後退が、児童福祉法第24条に定められた自治体の保育の実施義務に反するという立場から、会派としてこれまでも民営化に反対の立場に立ってきました。中野区として、児童福祉法第24条において自治体に課せられた保育の実施義務についてどのような認識を持っているのでしょうか。見解を伺います。

 区は、区民ニーズに対応した保育サービスの拡充と将来にわたって多様な保育サービスを安定的に提供していくため、区立保育園の民営化を推進するとしています。ことし12月の区立保育園のクラス別入所申し込みの状況は、10月28日の時点で、ゼロ歳児クラスで952人、1歳児クラスで432人、2歳児クラスは233人となっています。複数園希望されている方が含まれるものの、区立保育園には非常に多くのニーズが存在します。一方で、区はこの間区立保育園の定員を減らしており、今後全ての区立保育園を民営化する方針を示しています。民営化することで財政負担は軽減できますが、児童福祉法で定められた保育の実施義務を果たすための公的責任を区が後退させる理由には到底なり得ません。

 来年度、北区では正規保育士80人を採用し、直営の区立保育園を2園開設すると聞いています。待機児童問題が深刻化する中で拙速に区立保育園の民設民営化を進めるのではなく、区民の切実な声に応え、中野区においても区立保育園の拡充に踏み出すべきと考えますが、見解をお聞きして、この項の質問を終わります。

 次に、住宅の防災対策について伺います。

 1995年の阪神・淡路大震災以降、四半世紀の間に、新潟県中越地震、東日本大震災、そしてことし4月の熊本地震と、震度7を記録する地震が立て続けに発生しました。また、震度6規模の地震も毎年発生しています。日本列島のほぼ全域が大地震の活動期に入ったと指摘する地震学者もいます。全国のいつどこで巨大な地震が発生してもおかしくない状況にあり、首都直下の地震が発生すれば被害は未曽有の規模になることが予想されます。中野区においても首都直下型地震に備え本格的な防災対策の推進が求められています。

 建築物の耐震化にはさまざまな自治体で取り組みが進められています。中野区においても、建築物の耐震対策支援制度のもとで木造住宅に対しては、耐震診断助成対象地域に建つ木造住宅の建てかえ助成、耐震改修工事を行った木造共同住宅が全損した場合の助成制度などが設けられています。しかし、区は木造住宅の耐震化に伴う改修に対しては助成を行っていません。人命を救い、大火災を防ぐためには木造住宅の倒壊を防ぐことが一番の要となります。阪神・淡路大震災において神戸市内の死因は、建物倒壊によるものが83%、焼死が13%であり、その焼死も建物が倒壊し逃げることができなかったためだと言われています。

 昨年度修正された中野区地域防災計画によると、マグニチュード7.3の地震が発生した場合、区内で24件の火災が発生し、7,222棟が焼失すると想定されています。1棟でも多くの倒壊や火災を起こさせないことが被害の拡大を防ぐことにつながります。大地震から区民の命と財産を守る対策の抜本的な強化が求められます。

 そこで伺います。いまだ23区で唯一、個人の財政形成につながることを理由に、木造住宅の耐震改修を助成しない、区の姿勢を改める考えはないのでしょうか。

 ことし7月、東京都がインターネットを通じ行った、建物の耐震化に対する都民の意識調査によると、今後、行政が特に力を入れて取り組むべきことについて、7割が「耐震化に係る助成制度の充実」と回答しています。また、どのような状況になれば耐震化を実施しようと思うかについても、7割が「行政から耐震化に係る費用について助成を受けられる(状況)」と回答しています。耐震化が進むかどうかは行政の施策に大きく左右されるということが明らかとなりました。

 こういった状況の中で、耐震化に対する幅広いニーズに応えて、建てかえや耐震改修といった大規模な工事を伴う工事だけではなく、部分的な工事により倒壊を防ぐ取り組みも進んでいます。墨田区では、耐震改修工事助成事業に加え、区独自に住宅の倒壊から人命を守ることを目標にした簡易改修工事の助成制度も実施しています。東京都が選定した「安価で信頼できる木造住宅の耐震改修工法・装置」の中で耐震改修工法部門が選定した工法を活用した改修工事に対し助成を行います。簡易的な改修工事であっても倒壊の危険を大きく減らすことができ、資力が乏しく大規模な改修に踏み出せないような方も利用しやすい耐震化工事となっており、昨年度は30件の工事に対し助成を行っています。また、他の自治体でも同様の制度の実施が進んでいます。老朽化した木造住宅の多い中野区でも簡易改修工事に対する助成制度の実施を検討してみてはいかがでしょうか。伺います。

 東京都が2013年に発表した東京都マンション実態調査によれば、都内には分譲、賃貸合わせて13万3,188棟、推定301万戸のマンションが存在していることが明らかになり、現在も増加の一途をたどっています。こうした中で、首都直下型地震における深刻なマンションの損壊や倒壊の発生に警鐘を鳴らす専門家もおり、震度7程度の地震が発生すれば、約5,300棟のマンションで構造部分が致命的な損傷を受け、約1万5,000棟で大規模な補修が必要になるとする民間の調査もあります。とりわけ都内には老朽化したマンションが多く、都の調査によれば、新耐震基準以前のマンションは全体の18.5%に上ります。区では、非木造建築物の助成制度として、1981年5月31日以前に建築されたマンションに対し耐震診断に係る費用750万円を限度に助成しております。

 そこで、現在までに、この助成制度を利用して耐震診断を行ったマンションの棟数をお聞きします。またそのうち、Is値、構造耐震指数が震度6強程度の大地震で倒壊または崩壊する危険性があると言われる0.6未満とされたマンションの棟数をお聞きします。さらに、耐震診断の結果を受けて耐震化工事を行ったのは何棟でしょうか。伺います。

 東京都は、旧耐震基準で建設されたマンションの耐震化を促進するために、マンションの耐震改修等に関する助成事業を行う都内の区市町村に対し補助を行っており、現在23区では中野区以外でマンションの耐震設計や改修に対し助成制度が実施されています。都が行ったアンケート調査によれば、耐震診断が未実施とされる分譲マンションの58.9%が耐震診断を検討していないと回答し、理由として半数が改修工事の費用がないためとしています。中野区では耐震診断を行うものの、耐震設計や耐震改修工事につながっていないという実態があります。首都直下型地震において住民にとどまらず近隣や通行人にも大きな危険となる、マンションの耐震化の実施を自治体として後押ししていくべきと考えます。区として、耐震診断にとどまらず、他区でも実施している設計や耐震改修工事への助成を検討するべきではないでしょうか。見解を伺います。

 中野区が行っている建築物に対する耐震診断は、1981年5月31日以前に建設された旧耐震基準の住宅が対象となっています。旧耐震基準は震度5強の地震を想定したものでしたが、1978年に宮城県沖地震が発生し多くの建物が倒壊したことから、1981年、震度6強から震度7の揺れを想定した新耐震基準が設定されました。これにより必要壁量が旧基準から1.4倍に増加されましたが、1995年に起こった阪神・淡路大震災では新耐震基準の木造住宅にも多くの被害が発生しました。調査の結果、倒壊した住宅では筋交いなどの接合が不十分であったことが判明し、2000年に壁の配置の仕様や柱と梁の接合金具を厳格化した新・新耐震基準が設定されました。2000年6月までに建てられた木造住宅においては、旧耐震基準と同様、震度6強から震度7の地震で倒壊する可能性が高いとされています。実際、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が行った2万113棟の耐震診断の結果をまとめた調査データによると、新耐震基準で建てられた住宅でも約85%が耐震性に問題があるとされています。

 ことし10月に行われた国土交通省の建築物等事故・災害対策部会において、熊本地震における建築物被害の原因分析とこれを踏まえた取り組みが報告され、倒壊等防止のための取り組み方針として、今後、既存の木造住宅で2000年以前のものを中心に接合部の状況確認を推奨していくとしました。現在さまざまな自治体において耐震対策を見直し、2000年に設定された新・新耐震基準以前の建築物を支援の対象としています。中野区としても、耐震診断など耐震対策支援制度の対象を新・新耐震基準以前の建築物へと拡充すべきと考えます。見解を伺います。

 建築物の耐震化対策とともに、アスベスト対策の重要性も指摘されています。大地震が発生した際、被災した建物に使用されていたアスベストを適切に除去・廃棄することは困難を極めることから、平時から計画的にアスベストの使用実態を調査し、その結果を集積したアスベスト台帳を作成する必要があります。阪神・淡路大震災では、当時復旧作業にかかわった方がアスベスト疾患に罹患して死亡し、労災認定を受けたというケースもあります。こういった教訓や調査の成果を踏まえ、国土交通省はどの建築物にアスベストが使用されているのかを把握するためのアスベスト台帳の整備を必要不可欠なものであるとし、調査の実施と情報の集積を地方自治体に勧告しています。国は2008年より台帳作成の費用を全額負担する補助制度で整備を促し、23区では豊島区などで整備が終わったと聞いています。

 そこで伺います。中野区として、アスベスト台帳の整備はどの程度進んでいるのでしょうか。また、アスベストの調査や除去に対してどのような取り組みを行っているのでしょうか。お聞きします。

 中野区は、23区内で比べても防災対策に対する考えの優先順位が非常に低いと言わざるを得ません。人口密度が高く、木造住宅も多い中野の特性に鑑み、より積極的な施策の展開を求めまして、この項の質問を終わります。

 次に、民泊について伺います。

 民泊について、政府の検討会は、戸建て住宅や共同住宅等の全部または一部を活用して宿泊サービスを提供するものと定義付けています。インターネットを通じて空き家や空き部屋を短期で貸したい人と旅行者をマッチングするビジネスが世界各地で展開され、日本でも都市部や観光都市で急速に広がっています。

 第3回定例会において、所管委員会に区内の民泊の動向及び今後の方向性について報告があり、その中で区が民泊仲介サイト6件における中野区内物件の件数等をウェブ上で検索する調査を行った結果、610件に上る物件が民泊として登録されていることが明らかとなりました。

 そこで、現在までに中野区において旅館業法上の許可を受けた民泊は何件あるのでしょうか。また、違法な民泊に対して区はどのように取り組みを行っているのでしょうか。対応件数についても伺います。

 区の調査では、民泊が行われている区内の住宅については集合住宅が447件確認されており、戸建てに比べると圧倒的に集合住宅の割合が高くなっています。

 今回質問するに当たり、最近まで民泊を行っていた方にお話を伺いました。賃貸マンションに暮らす30代の夫婦は、使っていない1部屋を民泊として民泊仲介サイトに掲載し、宿泊者には部屋の合い鍵を渡し、トイレ、浴室、キッチン、リビングなどを共用していました。時間が合えば観光につき合うこともあったといい、使っていない部屋の有効利用と国際交流が民泊の目的であったと伺っています。マンションの家賃14万円のうち10万円前後は民泊の収入で賄っていましたが、先月マンションの管理会社から注意があり、民泊仲介サイトの掲載を中止したということでした。民泊として部屋を貸していた当時、民泊を行うには旅館業法上の許可が必要だという認識はなかったとのことでした。このように違法な民泊を行っている方の中には、少なからず旅館業法に違反していることを理解していない方もいると考えられます。

 そこで、区報などを積極的に活用し、注意喚起とともに、厚生労働省が作成した民泊サービスと旅館業法に関するQ&Aなど、わかりやすい記事を記載してはいかがでしょうか。伺います。

 また、区内において全体の73%を占める集合住宅における民泊の場合、管理規約に規定を設けるなどの改定によりトラブルを未然に防止することができます。区内マンションの管理組合などに情報提供を行うべきではないでしょうか。伺います。

 民泊の増加に伴い、近隣住民からは不特定多数の人物が出入りしていることへの不安や騒音に関するトラブル、ごみの放置や喫煙マナーなどの問題がふえています。区では旅館業法を管轄する保健所が相談・苦情等に対応している状況ですが、今後増加が予想される民泊関連の問題に対応する体制を強化すべきではないでしょうか。

 京都市では、ことし7月13日、市民からの苦情、相談を電話やメールで一元的に受ける民泊通報・相談窓口を設置しました。市民が通報しやすくなる上、個別に受けていた相談内容を保健センターや消防などがメールで素早く共有することで迅速な対応が可能になり、違法な民泊が見つかった場合は市が指導するとしています。同窓口には7月末までの半月あまりの間に260件の通報や相談が寄せられ、多くの市民が民泊に不安や懸念を持っている現状が浮き彫りになりました。区としても、民泊に関する相談・苦情等に一元的に対応する窓口を設置し、違法民泊に対する強い姿勢を示してはいかがでしょうか。見解を伺います。

 ことし4月の旅館業法における簡易宿所の規制緩和に続き、9月の国家戦略特別区域諮問会議では特区民泊の最低滞在日数を現行の6泊7日から2泊3日へ規制緩和が決定しました。また、今後国会に提出される予定の民泊新法をめぐっては、住居専用地域でも運営ができ、フロントの設備も必要なく、床面積の制限がないという内容になる可能性があります。こういった国の主導する規制緩和が拙速だとして独自に規制強化を進める自治体もあります。ことし3月、台東区議会では、宿泊施設の営業時間内は従業員を常駐させることやフロントの設置を義務付ける独自の条件を課した旅館業法施行条例改正案が議員提案され、全会一致で可決されました。マンションの管理会社や近隣住民などから相談が多く寄せられる中で、規制緩和による民泊の誘導よりも区民の住環境の安心・安全を優先した形です。また、兵庫県や石川県が規制の強化を求める意見書を国に提出しています。

 中野区は、新たな民泊の法制化や国家戦略特別区域における民泊の要件緩和を見据え、条例において規定する事項や制度運用に係るガイドラインの検討などを進めていくという方針を示しています。区内でも民泊によるトラブルや近隣住民の不安が増加している状況を鑑み、国が進める規制緩和について中止を求めるべきではないでしょうか。伺います。

 さらに、民泊新法など規制緩和が進められた場合でも地域住民の安心・安全な生活環境を守る立場に立ち、区独自の規制を強化した中野区旅館業法施行条例の改正を検討すべきと考えます。見解を伺いまして、この項の質問を終わります。

 次に、第三・第十中学校統合新校・複合施設整備について伺います。

 区は、2013年11月に決定した中野区立小中学校再編計画(第2次)に基づき、2018年4月に第三中学校と第十中学校を第三中学校の位置で統合するとしています。また、統合新校の校舎に当たっては、現在の第十中学校の校舎を2020年度中に整備する計画です。統合新校には子ども家庭支援センターと教育センターが併設され、将来的に移管を目指す児童相談所と統合した(仮称)総合子どもセンターとして整備し、さらに東中野図書館と本町図書館を廃止・統合する形で新たな図書館も設置した大型の複合施設とする方針です。ことし6月の意見交換会では6階建てや8階建てとして説明されてきた複合施設が、基本構想・基本計画において10階建ての計画となりました。これにより、当初は2020年4月から統合新校として供給を開始するとしてきたものが、建設工事が2020年度末までかかると見込みを変更しました。区はできる限り早く完了したいとしていますが、学区内の地域や生徒・保護者にとって、いつ開校するかということはとりわけ大きな問題です。今月3日間にわたって行われた区民説明会において、3日目の最後に、参加者の1人が資料に記載された建築工事の期間が当初の説明より1年近く延長されていることに気づき、指摘があったという経緯を伺っています。工事期間の延長について十分な説明がなかったことは問題であり、周知も十分ではありません。改めて関係する小・中学校の保護者や町会などに対し説明会を開く必要性を感じますが、見解を伺います。

 複合施設に設置される(仮称)総合子どもセンターについては、利用する児童・生徒や保護者の立場を考えたとき、非行、不登校、不適応、ひきこもり等の相談や支援を受ける場として学校の敷地内に併設される施設が適切だとは思えません。区は設置の理由を、さまざまな要因を持った不登校児童・生徒への対応や教育相談に切れ目なく総合的に支援することができるためとしていますが、とりわけひきこもりや不登校はその原因が学校での人間関係やいじめである場合も多く、学校という施設自体に抵抗を感じてしまうことも考えられます。区は、そういったひきこもりや不登校の児童・生徒に対する相談や支援の場が学校にあることについてのデメリットについては検証されているのでしょうか。伺います。

 複合施設の配置の検討に当たっては、第三中学校・第十中学校統合委員会の中においても再三学校生活や学校施設を第一義として考えるよう求める声が上がっています。基本構想・基本計画において、(仮称)総合子どもセンターの入り口を山手通り側に設置するとしています。区民説明会では、外観や専用入り口、動線などを十分工夫することで不登校の子どもたちに配慮していると区の考え方を示しておりますが、登下校に際し多くの生徒が山手通り以西から通うことになる中で、校舎とは反対側に位置する東側の通用門まで道幅が狭い裁判所通りを使い敷地を回り込むことになり、生徒にとって不便な構造であると言わざるを得ません。また、建設工事の期間の延長が施設の規模に応じて工期も影響を受けるとの理由であれば、複合施設を高層にするとしたことが開校の時期、学校生活に影響を与えているということは明らかです。こういった基本構想・基本計画が生徒の学校生活、学校施設を第一義として検討された結果であると言えるのでしょうか。区の見解を伺います。

 この間、意見交換会やパブリックコメント、区民説明会において、「図書館が使いにくくなる」、「(仮称)総合子どもセンターの学校併設はふさわしくない」、「セキュリティーが心配」など多くの意見が寄せられました。区は、これらの意見を計画に反映させることなく基本構想・基本計画の策定に至った印象が拭えません。

 昨年11月、文化科学省が学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議において取りまとめた報告書では、学校施設の複合化を計画・設計する際の留意事項として、具体的な計画立案に際しても、早い段階から教育委員会だけでなく、公共施設等関係部局、学校関係者、地域住民やまちづくりに関するNPO法人等民間団体の関係者が問題意識を持って、みずから主体的にアイデアを出すことで合意形成に至るよう進めることが重要であるとされています。

 そこで伺います。2013年に策定された中野区立小中学校再編計画(第2次)において第三・第十中学校の統合計画が示され、複合施設の整備についてはことし2月の新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)の中で唐突に打ち出されました。そして、3カ月あまりで新しい中野をつくる10か年計画が策定をされました。区は、統合新校における施設の複合化や高層化について、文部科学省が示すプロセスにのっとって十分な合意形成が行われたとの認識でしょうか。伺います。

 先月、子ども文教委員会で札幌市立資生館小学校を視察しました。資生館小学校は、2004年に札幌市中央区の大通地区4校を統合し新設され、ミニ児童館や子育て支援総合センター、保育所が併設された複合施設となっています。1階部分には図書館も設置されていますが、当初は地域に開放された図書館とする計画であったものの、警備上や運営上の問題で開放を見送っているという話を伺いました。

 第三・第十中学校統合新校における複合施設の整備について、セキュリティー面での不安、日照時間を含めた高層化による圧迫感や運動場の規模、反対の声が広がる本町と東中野図書館の廃止を前提とした図書館の設置など、多くの問題が浮き彫りとなっています。

 そこで、統合新校の複合施設整備計画は一度立ちどまり、複合施設の併設見直しも含め、地域住民や関係者の自主的な声に基づいた計画へと変更すべきではないでしょうか。伺いまして、全ての質問を終わります。