2017年中野区議会 第4回定例会本会議 一般質問


1 民泊について

2 空家対策について

3 学校施策について
 (1)教員の長時間労働について
 (2)医療的ケア児の対応について
 (3)2学期制について

4 その他


 2017年、第4回定例会におきまして、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。

 まず、初めに民泊について伺います。インターネットの仲介サイトなどを通じて、観光客に個人宅や投資用に所有している部屋を貸し出す民泊が全国で急増しています。民泊の市場調査を手がけるメトロエンジン株式会社のメトロデータによると、日本全国の民泊物件数は5万件に及んでいます。また、観光庁がことし7月から9月に調査した訪日外国人旅行者の日本滞在中に利用する宿泊施設の利用動向では、民泊利用率は12.4%となり、観光・レジャー目的では15%に上りました。民泊物件とその利用者が急増するもとで民泊をめぐるトラブルは後を絶ちません。

 そんな中、民泊を事実上解禁する住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法が6月の国会で成立しました。民泊新法は、届け出さえすれば民泊の営業を認めることを基本原則にしています。従来宿泊業には、消防設備や衛生基準など最低限の基準を満たし、旅館業法上の許可が必要でしたが、許可がないままの違法民泊が新法により認められるというものであり、不安と懸念が広がっています。政府は新法の施行日を来年6月15日に設定しています。現状では、旅館業法の許可を受けずに宿泊営業を行うことは法律違反であり、違法行為を続ける場合は警察と協力して厳格に対応すべきと考えます。

 そこで伺います。民泊新法施行を前に、まず緊急に必要なのは、区内の民泊の実態を把握するとともに、悪質なものについては厳しく取り締まることではないでしょうか。現行の旅館業法に違反している仲介業者も厳格に取り締まるとともに、違法物件については、仲介業者のサイトから取り消すように指導すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 区内でもマンションなど集合住宅の空室を利用した民泊が多数確認されています。一部では、深夜の騒音、ごみ出しルール・マナー違反、オートロック機能が意味をなさない実態などを引き起こしています。マンションには管理規約が設けられており、多くの管理組合は、国土交通省によって作成されたマンション標準管理規約をそのまま採用しています。ことし8月、国土交通省がマンション標準管理規約を変更し、住宅宿泊事業法に基づく民泊を可能とする場合と禁止とする場合の双方の規定例を示しました。民泊を許容するか否かを管理規約に明文化することでトラブルを防ぐというのが目的です。

 そこで、中野区として区内のマンション管理者や住人に対して、マンション標準管理規約の変更について広く周知するとともに、積極的に変更を促していくべきではないでしょうか、伺います。

 民泊が犯罪者や犯罪グループの滞在拠点に悪用されるケースも確認されています。ことし4月には、新宿のマンション民泊を利用した台湾の犯罪グループが、偽造したキャッシュカードを使い、ATMから金銭を不正に引き出すという事件がありました。また、民泊で借りた目黒区のマンションを使い、覚醒剤の密輸を行う事件も発生しています。2020年東京オリンピック・パラリンピックが近づく中、テロリストが民泊を悪用する危険性を指摘する声もあります。一昨年11月に発生したパリ同時多発テロは、実行犯が襲撃前、身元申告が求められるホテルなどを避け、民泊を利用し潜伏していたと見られています。身元確認の不十分な民泊が今後さらに犯罪やテロの温床となることが懸念されています。

 そこで伺います。国は民泊新法において身元確認の強化を求めていますが、今後、区が条例で、対面による本人確認や旅券の確認などを義務付けたとしても、全ての民泊が適切に実施していることを確認・指導することには限界があるのではないでしょうか。区の認識を伺います。

 民泊新法第18条、条例による住宅宿泊事業の実施の制限では、それぞれの自治体が定める条例により、生活環境の悪化防止を理由に、区域、期間を定めて民泊を制限することができるとされています。現在文京区では条例を制定するに当たり、規制の範囲を住居専用地域とともに住居地域や準工業地域などホテルが建設可能な地域とし、営業可能期間を土日の週二日間に制限することを検討しており、規制区域は区面積の7割を占めると言います。文京区アカデミー推進部は、民泊の適正な運営には生活環境の悪化を防ぐ取り組みが不可欠と指摘し、区民の生活を優先する姿勢が見受けられます。

 そこで、今後作成するとしている区の民泊条例において、生活環境の悪化防止に当たる区域、期間の制限についてどのように想定しているのでしょうか。また、それが区民の生活環境を優先したものとなっているのでしょうか、答弁を求めます。

 民泊新法は大幅な規制緩和となります。最低限の安全、衛生、防災設備が万全と言えない民泊を認めることは、宿泊者の安全を保障できないばかりか、これまで以上の近隣トラブルなどを生み出しかねません。そこで、民泊については届出制ではなく、旅館業法の諸法規に適合した許可制を堅持したルールを設けることを国に対し求めるべきではないでしょうか。伺いまして、この項の質問を終わります。

 次に、空家対策について伺います。高齢化や人口減少の影響で空き家は増加し続けています。マンションやアパートを含めた全国の空き家率は、2013年時点で13.5%、約820万戸に上り、2023年には21%に上昇すると推計されています。適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、生活環境の保全、空き家の利活用等に対応することを目的に、2015年5月、空家対策特別措置法が全面施行されました。空き家問題が全国的に深刻となるもとで、自治体の空き家対策に法的根拠を与えるものとなっています。これを受け、中野区でも区内における空き家の棟数、地理的分布、建物状態等の把握を目的として区内全域調査が実施されました。その結果、852棟の空き家が確認され、一部で老朽化による破損や傾斜が見つかっています。

 そこでお聞きします。現在区内において特定空家に相当する状態の空き家は何棟確認されているのでしょうか。

 先日、調査で最も多くの空き家が確認された南台にお住いの方から、「長年、空き家となっている隣の家の老朽化が激しく、時々、庭や道路に瓦が落ちてきて怖い」という声があり、現地を確認したところ、2階建ての空き家の敷地には落下した瓦の破片があり、建物自体も道路に向け若干傾斜しているということを確認しました。敷地からは木が伸び、道路の通行に影響が出ることから、近所に住む方が伸びるたびに剪定をしていると伺いました。近隣の住民からは、「地震が来ると不安」、「放火が怖い」などの声が寄せられています。この空き家の問題について対応するように区に求めたところ、「管理者に問い合わせる」とのことだったが、改善された形跡は見られません。空き家前の道路は通学路にもなっており、早急な対応が求められていますが、区として修繕や解体といった直接的な対応は難しいのが実情です。今後区は空き家対策に向けて条例を策定するとしております。この条例の中で、老朽化や破損により近隣住民や通行人の安全を脅かす空き家に対して、区が迅速かつ主体的に問題を解消できるよう緊急安全措置を定めるべきではないでしょうか。区の認識を伺います。

 使われない空き家が解体されない背景の一つに固定資産税の問題があります。建物がある土地は、土地の固定資産税が最大で6分の1まで優遇される特例がありますが、解体すれば固定資産税が最大4.2倍にはね上がります。解体にも莫大な費用がかかるため、放置せざるを得ないという状況もあります。こうした空き家の除去に対して、さまざまな助成制度を設け取り組む自治体がふえています。中野区でも不燃化特区補助制度の中で、解体除去などに補助金を出す制度があるものの、不燃化特区に限られており、全区的に存在する空き家に対応した制度の創設が求められます。文京区では、2014年度より空き家等対策事業として、特定空家の条件に当てはまる管理不全の空き家等を、除去後に区が原則10年間無償で借り上げるという名目で、上限200万円の解体費用助成を行っています。跡地は地域の安全・安心やコミュニティ形成に貢献するよう活用するとし、実際に、消火器具や防災倉庫の設置、ベンチ等を配置した憩いの広場などとして利用されています。

 そこで伺います。中野区としても、解体費の助成と解体後の跡地無償借り上げにより、地域の安全・安心、コミュニティの形成に資する利活用を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 世田谷区では2013年度から、区内にある空き家や空き室等の地域貢献活用を目的とした空き家等地域貢献活用相談窓口を開設し、事業は区が設立した財団、世田谷トラストまちづくりに委託しています。相談窓口では、空き家等を保有するオーナーとNPOなどの利用団体とのマッチングに取り組んでおり、2013年度の窓口開設以来、昨年度までに2,044件の問い合わせがあり、マッチングにも成功しています。中野区としても、マッチングによる空き家等の利活用を進めるための窓口の設置を検討してはいかがでしょうか、伺います。

 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、いわゆる住宅セーフティネット法の改正法がことし10月25日に施行されました。改正法には、全国の空き家の一部を活用する住宅登録制度が盛り込まれました。低額所得者、被災者、高齢者、障害者など、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として登録することで、改修費の補助や家賃債務保証料と家賃の低廉化の補助を国と地方自治体が行うことを可能とする制度です。政府は2020年度末までに、全国で17万5,000戸の登録を目指しています。高齢化や貧困の広がる中、住生活の安定の確保に抜本的に取り組んでいかなくてはなりません。今月示された「健康福祉都市なかの」を実現する基本計画(素案)には、住宅確保要配慮者が賃貸住宅等へ円滑に入居できるよう居住支援を行うとし、居住支援協議会を設立する方針を示しました。

 そこで、今後、中野区としても、空き家を住宅確保要配慮者のために活用するための具体的な支援策を検討すべきと考えます。区の認識を伺いまして、この項の質問を終わります。

 次に、教員の長時間労働について伺います。東京都教育委員会はことし6月から7月、都内105校の公立学校における教員の在校時間について調査を行い、今月9日に結果を発表しました。それによると、公立中学校教員の68.2%が過労死ラインとされる週60時間を超える在校状況であったことが明らかになりました。小学校の教員も37.4%が過労死ラインに達しており、文科省が昨年秋に行った全国調査と比較すると、小学校では約4%、中学校では約11%、全国平均を上回る結果です。東京都教育委員会は、調査結果発表の同日に、「学校における働き方改革推進プラン(仮称)」中間のまとめを発表し、働き方改革の目的として、「教員の長時間労働の実態が明らかとなっており、教員の心身の健康に少なからず影響を及ぼすとともに、日々の教育活動の質にも関わる重大な問題となっている」とし、教員の長時間労働の改善に早急に取り組んでいく考えを示しました。また、当面の目標として、週当たりの在校時間が60時間を超える教員をゼロにすることを掲げ、平日は、1日当たりの在校時間を11時間以内とするよう取り組んでいくとしています。

 そこで、中野区として、公立小・中学校において在校時間が60時間を超える教員の人数を把握しているのでしょうか。把握しているのであれば、その割合を伺います。

 これまでも会派として、区立小・中学校における教員の長時間労働について、実態の把握と改善の必要性を訴えるとともに、在校時間を記録するICカードシステムの導入を求めてきました。都立学校においては、ことし10月から開始したカードシステムによる在校時間の記録が行われており、東京都教育委員会は、この都立学校での取り組みを参考に、小・中学校においてもICカード等で在校時間を把握することを促進するよう、各自治体の教育委員会に対し検討を求めています。そこで、中野区でもICカードシステムを導入し、区立小・中学校教員の客観的な勤務時間を把握できるようにするべきではないでしょうか、見解を伺います。

 中学校において教員の在校時間が長い理由の一つとして部活動が挙げられています。東京都教育委員会は、部活動のあり方を見直し、その適正化を図るとともに、顧問業務に従事する教員の負担軽減を図るとし、練習時間や休養日の設定、適切な指導体制のあり方等についてガイドラインの作成を検討するとともに、週休日である土曜日・日曜日については、どちらか一方は必ず休養できるよう取り組んでいくとしています。

 また、文科省はことし1月、中学校の運動部の部活について、休養日を適切に設定するよう求める通知を全国の教育委員会、都道府県知事などに出しました。2016年度に行った調査で、2割を超える中学校が休養日を設けていなかったためで、通知では、適切な休養を伴わない行き過ぎた活動は、教員、生徒ともにさまざまな無理や弊害を生むと改めて指摘しています。

 そこで伺います。中野区においてガイドラインを設けるなどして、東京都教育委員会や文科省の示す部活動の練習時間や休養日の設定、週末日の連続業務の是正を明確に定め、区内全校での徹底に努めるべきと考えます。区の認識を伺います。

 このたび示された「学校における働き方改革推進プラン(仮称)」中間のまとめでは、「学校における働き方改革を進めるためには、各学校がその実態に応じた取組ができるよう、服務監督権者である教育委員会が、改善目標を含む実施計画を策定することが必要である」としています。教員は労働者として健全な心身を保障されてこそ、初めて子どもたちとじっくりと向き合うことができます。中野区として教員の負担軽減と労働環境を抜本的に改善する策を盛り込んだ実施計画を策定するべきと考えます。見解を伺います。

 これまでも教員の負担軽減につながり、学習面や児童・生徒とのつながりの形成、いじめ対策にも資する少人数学級の実施を求めてきました。しかし、区は、学級編制基準は国により定められているとし、背を向けています。ことし3月の衆議院文部科学委員会において、文科大臣は、少人数学級についての認識について問われ、「よりきめ細やかな指導が可能となり、有効な施策だ」と述べています。教員に対する各種アンケートでも、少人数学級を求める声は根強く、全国でも少人数学級の導入によるさまざまな効果が確認されており、広がりを見せつつあります。

 そこで伺います。中野区として、国・都に対し少人数学級の実現に向け、財政的に保障する制度を確立し、学級編制基準を見直すよう求めるべきと考えます。見解を伺います。

 次に、区立学校における医療的ケア児対応について伺います。近年の新生児医療の発達により、超未熟児や先天的な疾病を持つ子どもなど、以前なら出産直後に亡くなっていたケースであっても助かる子どもがふえ、たんの吸引や経管栄養など日常的に医療的ケアを必要とする子どもの数も大幅に増加傾向にあります。厚生労働省の研究班によると、医療的ケアが必要な19歳以下の子どもは、2015年度の推計で1万7,000人に上り、10年前と比べて8,000人近くふえています。

 まず、伺います。区内で医療的ケアが必要な18歳以下の子どもは何人いるのでしょうか。また、そのうち未就学児は何人でしょうか。

 今月11日、文科省の専門家会議、学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(第1回)が開かれました。教育現場と医療現場との連携のあり方などを話し合い、学校現場での安全体制の整備や医療的ケア児の教育機会の確保についても議論され、自治体ごとに学校の医療的ケアに関する役割分担の理解が異なっているという課題も挙げられました。

 ことし4月横浜市で、気管を切開し、たんの吸引という医療的ケアが必要な児童が、地域の小学校に保護者の付き添いなしで通学できることになりました。当初、本人と保護者は、地域の小学校への入学を望んだものの、市は、親が付き添うか、特別支援学校に入学するかという選択肢を提示しました。しかし、保護者は、付き添いなしで伸び伸びと学校生活を送ってほしいと、2年前から看護師の配置を市に要望し、話し合いを経て、市は学校生活における医療的ケアを行う看護師を配置するとして約600万円を今年度予算に計上しました。医療的ケア児を受け入れる特別支援学校や公立小・中学校に自治体が看護師を配置する場合、国が人件費を1人当たり年70万円を限度に3分の1を補助する制度を活用しています。ほかにもこの制度の活用で医療的ケア児が地域の学校で学ぶ選択肢を明確に設けている自治体もあります。

 そこで伺います。現在、中野区において、医療的ケアを必要とする児童・生徒が区立学校で学ぶことを希望した場合、区として看護師を配置できるのでしょうか。できるのであれば、明確に周知をすべきではないでしょうか。

 今月示された「健康福祉都市なかの」を実現する基本計画(素案)の中の「障害や発達に課題のある子どもへの支援」に対する「現状と課題」の項目において、「医療的ケアのある子どもが、保育園や幼稚園、区立小中学校を希望する場合に、受入に必要な対応ができる体制を整えておく必要があります」との記載があります。2016年の児童福祉法改正で、各自治体に保育や教育を支援する努力義務が課せられたことや、障害者差別解消法における合理的配慮の考え方も踏まえ、中野区としても、医療的ケア児が学校生活を送るにふさわしい環境の整備を早急に進めていくべきだと考えます。区として今後、具体的にどのように、医療的ケア児の受け入れに必要な体制を整えていくのでしょうか。また、そのために、当事者家庭や事業者に対するニーズ調査を行うベきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、2学期制について伺います。中野区では、2006年度から全区立中学校において、また、2008年度から全区立小学校において2学期制が導入されました。しかし、学期の区別がわかりにくいことや学習に対しての評価回数が少ないことなど、2学期制に対する疑問の声があり、2015年、2学期制についてのアンケート調査を保護者及び教員を対象に実施しました。教員188名と保護者7,501名から調査回答を得ています。その後、2016年度に教育課程検討委員会が設置され、アンケート結果についての分析、2学期制の成果と課題、今後の方向性などが検討されました。

まず区として、このアンケートを行った理由と目的について改めて伺います。

 アンケートの設問1では、教育課程や学力向上について9項目の質問が設けられています。教員の回答に着目すると、小学校では一定、2学期制に肯定的な回答があるものの、中学校では軒並み否定的な回答が肯定的な回答を上回っています。特に、「2学期制により、増えた授業時数を利用して、子どもたち一人ひとりの実態に応じた学習に取り組む時間が増えた」との質問では、「思う」、「ややそう思う」を合わせても8%にとどまり、「あまり思わない」、「思わない」は合わせて80%に達しています。

 そこで、まず伺います。区は2学期制を導入するに当たり、2学期制により時間的なゆとりを確保する、中学校で20から30時間程度の授業時数増が期待できると繰り返し説明をしています。しかし、中学校教員の実感として否定的な回答が8割となっている結果についてどのように認識しているのでしょうか。

 アンケートの設問2では、「総合的にみて2学期制についてどのように思いますか」として、「2学期制は、学期の区切りや長期休業日などが分かりやすいか」や「生活リズムに合っているか」という、まさに今後の方向性が問われる根幹的な質問が設けられていますが、教員では小・中学校ともに否定的な回答が肯定的な回答を上回っている状況です。さらに、中学校に至っては肯定的な回答がともに10%にも達していません。中野区とほぼ同時期に2学期制を導入した京都市では、学期の途中に夏休みや冬休みを挟んだり、学期の間に長期の休みがないことから、区切りがつかないといった批判が相次ぎ、2011年度からは校長の裁量で学期の区分をなくすことができる通年制を認め、中学校では73校のうち61校が通年制へ変更し、市内で2学期制と通年制の学校が混在する事態となっています。保護者や現場の教員の双方から3学期制に戻すことを求める声が高まり、京都市教育委員会は、京都市立の全小・中学校で来年度から3学期制に統一する方針を決めました。

 そこで伺います。区が行ったアンケートでは、保護者の回答においても、小・中学校ともにほぼ全ての質問で2学期制に否定的な回答が肯定的な意見を上回りました。しかし、教育課程検討委員会の報告書は、「2学期制を生かし、これまで以上に、児童・生徒に合った学期制、保護者や地域の理解と協力を得ることができる学期制を構築していくことが必要」と締めくくられ、あくまで2学期制の継続を理解してもらうという姿勢です。これは、教員、保護者アンケートで示された実感とはほど遠い報告であると考えますが、区の見解を伺います。

 学習面での難しさが生まれる、めり張りがないというのは、学期の区切りと長期休暇が一致しない2学期制の根本的な問題点であり、これを解決するためには、3学期制に戻した上で、授業時数確保等の工夫を行うことが現実的だと考えます。区の認識を伺い、この項の質問を終わります。

 最後にその他の項で、旧中野刑務所正門について伺います。

 法務省矯正研修所の敷地内には、旧中野刑務所の正門があり、地域の方からは平和の門として愛されています。1910年4月、司法技師であり建築家・後藤慶二の設計により建築が始まり、1915年3月に豊多摩監獄、後の豊多摩刑務所として竣工しました。1925年の治安維持法制定以後は思想犯が多数収監され、歴史の生き証人とも言われています。関東大震災や戦災によって建物は被害に遭いましたが、正門は無傷で残りました。現存するれんが建築では最高峰と言われ、大正期の日本のモダニズム建築の代表的な作品として評価されています。区が出版した書籍「中野のまちと刑務所」では、この建築を素通りして近代建設の歩みは語れないと評しています。1983年、刑務所が解体された際には、日本建築学会や住民から保存を求める声が上がり、跡地に整備された法務省矯正研修所東京支部内に残されました。昨年の第4回定例会本会議において、浦野議員が旧中野刑務所正門の活用を検討することを求めた際、区は正門について、「歴史的、文化的、観光的価値や教育的価値など、さまざまな価値を有する」と答弁しています。

 そこで伺います。それぞれ具体的にどのような価値を旧中野刑務所正門が有していると認識されているのでしょうか。また、さまざまな価値を有する正門を、土地を購入した暁には、中野区指定文化財とすることを検討してはいかがでしょうか。

 法務省矯正研修所はことし8月、昭島市への移転が完了しました。跡地には、区立平和の森小学校の移転が計画されています。先日、法務省矯正局施設係の補佐官に会い、今後の行程についてお聞きしました。法務局としては、矯正研修所の土地について、旧中野刑務所正門を存置したままで、今年度中に財務省へ移管すること。そして財務省も正門を存置した状態で売却することを検討しているとの話を伺いました。今後、区が矯正研修所跡地を購入すれば、正門の扱いについては、所有者である中野区が判断することとなります。ことし9月5日、東京新聞において「正門 撤去の可能性」が報じられました。区や教育委員会が今後の正門の取り扱いについて姿勢を明らかにしないことが懸念を生んでおり、住民や建築士等からは再び保存を求める声が上がっています。

 そこで中野区としては、旧中野刑務所正門を残し、平和の森小学校の整備に当たっても、この歴史的な構造物を学校施設の一部として有効に活用できるよう工夫するなど、保存に向け検討すべきと考えます。

 区の認識を伺いまして、全ての質問を終わります。